私の作品はあまり芸術を目的としていません。
にとって”絵”は芸術やイラストまたは落書きのジャンルの線引きは曖昧でどれも同じ感覚で楽しみます。
なので私が絵を描く時も同様にあまり芸術を意識しないでイラストや落書きを描くような感覚で作業しています。また、メッセージについてもあまり深くは意識せずビジュアル面での楽しさに重点を置いています。少し設定や状況などを考えてから描き出しますが、描き進めていくうちにだんだんと変化して(描いていくうちに絵が自ら意思を持ち出すような感覚)完成した時には最初に考えてた設定と全然違うものになってしまうこともあります。だから私の絵を見てくれた人がそれぞれ自由に自身で感じたように解釈して欲しいです。
それも解釈は自由です。私の作品には細かい設定やストーリーを設けていません。
これが退廃していった未来の地球なのか、また別の星のことなのか、過去のどこかで大きく変わってしまったパラレルワールドの地球なのか...ただ私が描いた作品に人間性との共存を表そうとしたものは沢山あります。
私の作品の多くはロボットや無機物と有機物の融合した変な生き物を描きますが、彼らには”不幸、悲しみ、恐れ、怒り”などのネガティブな感情を持たせていません。
彼らは異質な姿をしていますが”静寂、平穏、優しさ、喜び”の小さな感情を持っています。
ギーガーから受けた影響は特に大きいかもしれません。あまりにも高く完成された技術で描かれた彼の美しすぎるダークな世界には尊敬以外の言葉はありません。
しかし彼は偉大すぎる為に私自身はそこまで彼を意識して制作しているつもりはないのですが、無意識のうちに彼から受けたヴィジュアルのイメージ(機械部のディテールなど)が作品に影響しているかもしれません。
私の作品を見た人にギーガーのようだとよく言われます。それはとても光栄なことですが畏れ多くもあります。
他の作家も同様にそれぞれ技術や世界観に多くの尊敬を持っていますが、製作においてあえて意識はしていないつもりです。
しかし私の尊敬する多くの作家や作品から受けた影響が無意識に私の作品に出てきてしまっているかもしれません。
わたしが影響を受けたアーティストの数は多く、全ての名前を挙げることはできませんが、私が幼い頃から今に至るまで最も好きなのはAKIRAを描いた”大友克洋”です。
彼の描く配管や機械やロボット達はとても格好よくどこか人間性のあるユニークさを持っているように感じます。
彼がキャラクターデザインをしたアニメーション映画”HARMAGEDON 幻魔大戦”に出てくる異質な見た目とは異なる優しさと愛を持ったロボットの”ベガ”が幼い頃の私に初めて大きな影響を与えてくれたと思います。
ほかにも”Moebius(Jean Giraud)”、”寺田克也”や”田中達之”などイラストやマンガを描く作家に影響を受けました。
deviantARTでは”Almacan(中村一彦)”や”torvenius”、”jeffsimpsonkh”、”Gloom82”などそのほか多くの作家に影響を受けています。
ティム・バートンが手がけた近年の作品で最も好きな作品は”9”です。正確には監督/原案はシェーン・アッカーですが...
ティム・バートンが監督/製作/原案の作品では”EDWARD SCISSORHANDS”で、この作品もまた優しい心を持つ異形のエドの姿に衝撃を受けました。
彼の描くダークながらコミカルさとユニークさを備えた人間味ある世界観が大好きです。
テリー・ギリアムも”Brazil ”、”The Adventures of Baron Munchausen”、”Fear and Loathing in Las Vegas”など好きな作品は沢山ありますが近年では”The Imaginarium of Doctor Parnassus”の世界観はとても良かったと思います。
しかし彼らの作品は純粋に楽しむために観ているのでそれが私の作品に影響しているのかは自分ではあまり判りません。
ジャン=ピエール・ジュネの”Delicatessen ”、”The City of Lost Children”、”Micmacs”
ヤン・シュヴァンクマイエルの”Alice”、”Faust”その他の短編アニメーション
押井 守の”GHOST IN THE SHELL ”、”INNOCENCE”
塚本 晋也の”Tetsuo: The Iron Man”、”Tetsuo: The Bullet Man”
大友 克洋の映画、漫画は全部好きです。
宮崎 駿、今 敏などその他多くの映画監督の作品に影響を受けていると思います。
たぶん私がダークなヴィジュアルに魅力を感じているのが一番大きな理由だと思いますが、ただダークなだけのものにはあまり魅力を感じません。
私は”ダークな世界”や”異質で奇妙な世界”の中に存在する者の”優しさ”や”日常的な平穏”にとても魅力や美しさを感じます。
暗い世界の中に小さな明かりがあることが私にとってはとても大切なことです。
私が描いているのはダークな世界に見えてしまうことがあるかもしれませんが本質はその中に存在する光の部分を描きたいと思っています。
ただ私の技術やメンタル面はあまりに未熟なので、これからも沢山描いて成熟させていかなければならないと思います。
ポジティブ」の表現は人それぞれだと思います。
私は決してダークなだけの絵を描くつもりはありません。ダークの中にある「ポジティブ」に最も魅力を感じているからです。
その反対に「ポジティブ」なだけの絵を描くことも無いと思います。
私の絵の中にそれらは常に一緒に存在するでしょう。(若干見た目はダークに寄ってるかもしれませんが...)
また「ノワール」なアートや「日常シーンの」アートが多すぎるとしても無理に「ポジティブ」なアートを創作する必要はないと思います。
現代のメインストリームが「ノワール」なアートや「日常シーンの」アートが多すぎるならそれに対して批評家の言う「ポジティブ」な作品も自然と生まれてくるのだと思います。
私の作品に登場する彼らの内面はみんな「ポジティブ」で生を肯定しています。しかしそれは内面なので特別に強調して表現していない場合もあります。
たまにそれを強く伝えるために”ハート”や”植物”を加えますが、それらがない作品に対しても同様です。
どれだけ「ネガティブ」に見える容姿をしていたとしても彼らに「ネガティブ」な感情は持っていないように作品を描いています。
また中には純粋に自分の楽しみのために描いて出来上がった作品もあります。
もし私の作品でそのような影響があればそれはとても嬉しく、またとても感謝すべきことだと思います。
きっとこれからも作品を描き続け作品を成長させる上で大きな糧になると思います。
絵はずっと描き続けて行きたいです。いつか余裕があればストーリーを持たせた連作品やフラッシュや3DCGを使ったアニメーションなどにも挑戦してみたいと思います。
私の作品の”wa"は写楽が描く浮世絵や伝統的な日本画の着物を着た女性をイメージして描きました。また3枚で一組の作品の”red-line+"は横長の屏風絵の影響があるかもしれません。
少し話しが逸れるかもしれませんが、以前雑誌の企画で日本の伝統工芸品の漆器とのコラボレーションをさせてもらいました。
ギーガーやダリももちろん好きですがエッシャーの作品も好きです。中でも”Curl-Up(Pedalternorotandomovens centroculatus articulosus)”の存在が最も好きです。
モダンアーティストではPierre Matter、Brian Despain、Xia Xiaowan、Ashley Wood、etc...の作品が好きです。
私は性的な描写をしないのでこう見えてしまうのは残念です。
しかし反面もっと絵の技術を上達させようと思うのでまったくの無意味ではないかもしれません。
作品を作る上では賞賛も批判も必ずあるので、なるべく多くのLike this!!がもらえるようにこれからも沢山作品を描いて上達していきたいと思います。